利用者や同僚に嫌われるタイプの介護士とは

介護の仕事に限らず、スムーズに業務を遂行しようとしたり、長く勤めようと思えば職場の人間関係が重要になってきます。特に介護業界は対人を相手にする仕事であるため、職員や利用者・入居者に嫌われてしまうと業務に支障が出てきてしまいます。

この記事では、職員や利用者・入居者に嫌われる人はどんな特徴があるのかを解説し、その対策などについても解説しようと思います。

1.利用者・入居者に嫌われてしまうと

利用者・入居者に嫌われてしまうと入浴や食事、排泄などの介助を拒否される可能性が高くなります。日中であれば、他の職員に助けを求めることもできますが、夜勤などで他の職員がいない場合は自分一人で対応しなければなりませんが、利用者・入居者から暴力や暴言を受ける可能性もあります。

また、自分にだけ冷たい態度や介護拒否をされると精神的にもつらくなります。

1.1 嫌われる介護士の特徴

利用者・入居者から嫌われてしまう介護士にはいくつかの特徴があります。今までの自分の行動をふり返り、嫌われる介護士の特徴に当てはまらないか確認し、改善を行うことが重要です。

1.1.1 話し方・言葉遣いが荒い、介助などが雑

普段からタメ口や命令口調、ぶっきらぼうな話し方で接していないかふり返ってみる必要があります。忙しく余裕が無いときは、話し方や言葉遣いなどが無意識のうちに荒くなることがあるため、特に注意しておく必要があります。

また、介助を行う場合も雑に行っていないかを注意しておく必要があります。時間を掛けすぎるのも問題ですが、スピードを重視しすぎると介助が雑になりがちです。ある程度は早く介助を行うことは大切ですが、丁寧さを軽視するのは問題です。

1.1.2 表情が硬い、笑顔が無い、声が小さく聞き取りにくい

コミュニケーションが苦手な人は、会話をする時、緊張しているとどうしても表情が硬くなり、無意識のうちに無表情になってしまい、笑顔も無く、声も小さくなりがちです。無表情でボソボソ小さな声で話し掛けてしまうと利用者・入居者に不快感を与えてしまう可能性があります。

1.1.3 不機嫌な時などに、すぐに態度に出る

イライラした感情をすぐ態度に出す人に対しては利用者・入居者に限らず誰でもあまりいい感じは受けません。無意識のうちに感情が態度に出ていないかを意識しておく必要があります。

1.1.4 介護技術が未熟

介護技術が未熟であれば、介助に時間が掛かりすぎたり、時間を掛けている割には丁寧に出来ていない・不備がある、転倒・転落などの事故が発生してしまうなどといった状況になりがちです。また、介助がスムーズに出来ないと利用者・入居者に多大な負担を掛けたり、危なっかしい介助で利用者・入居者に恐怖心を与えてしまうこともあります。そうなると利用者・入居者から介助を拒否されやすくなります。

1.1.5 利用者に寄り添えない、思いやりが無い

相手の立場になって物事を考えることが出来なかったり、相手の要望や要求に応えることができない介護を行っていると嫌われる可能性があります。

また、利用者・入居者の想いに耳を傾けない人や否定する人も嫌われる可能性があります。

1.2 利用者・入居者に嫌われないためには

利用者・入居者と良い関係を築くためには、普段からコミュニケーションを取っておくことが重要です。特に、コミュニケーションを取るときは、笑顔を見せることがとても重要です。進行したアルツハイマー型認知症の方でも相手の気持ちを笑顔から読み取る能力は、最後まで衰えないといいます。

また、利用者・入居者に対しては、相手の想いを受け入れて、共感することも重要です。オウム返しの会話も有効な場合があります。

その他、利用者・入居者と会話をするときに無意識のうちに心無い言葉を発していないかといったことも注意しておく必要があります。また、利用者・入居者の言動を注意深く観察し、どんなことを要求しているのかを読み取る習慣も身に付けておく必要があります。

新人介護士で、コミュニケーションを取ることが苦手な方もおられると思いますが、そういう人はまず最初に話しやすそうな利用者・入居者や話し好きな利用者・入居者を見つけて話しかけると良いでしょう。特に話し好きな利用者・入居者がどんな感じで会話を切り出したりしておられるのかを観察して参考にしてみるのもおススメです。慣れてきたら徐々に他の利用者・入居者に話しかけてみてください。

ただし、どんなに誠心を込めて対応しても、良い関係を築けない方はいます。人間には相性というものがあります。すべての利用者・入居者に好かれるということはごく稀です。「全員から嫌われないようにしよう」と考えるのではなく、「1人でも自分のことを好いてくれる人が増えれば」というように考えた方が気が楽かもしれません。

2.同僚から嫌われてしまうと

介護の仕事ではチームワークがとても重要になってきます。同僚から嫌われて孤立してしまうと業務に様々な支障が出てしまいます。分からないことや曖昧なことがあっても、同僚などに相談しにくくなり、分からないことや曖昧なことをはっきりさせないまま業務を進めてしまうことがあります。そうしたことが大きなトラブルや事故などの原因になってしまうことがあります。また、困っていても誰も助けてくれないといった状況にもなってしまいます。

同僚から嫌われてしまうと業務をスムーズに行えなくなる可能性があるので、昇給・昇格にも悪影響が出てきます。また、契約職員などは雇用期間が過ぎれば更新をしてもらえなくなる可能性もあります。

2.1 嫌われる介護士の特徴

同僚などから嫌われる介護士にもいくつか特徴があります。自分にも同僚から嫌われる特徴が無いかをチェックして改善していく必要があります。

2.1.1挨拶が出来ない

職場の同僚や上司に挨拶をしないというのは、当然ながら周りにあまりいい印象を与えません。挨拶をされても無視をするというのは論外です。介護に限らずどの仕事でも挨拶をすることは大切です。

2.1.2 同じミスをする

同じミスを何回もしたり、同じことを何度も聞いていると、周りの職員から「仕事が出来ない」と思われてしまいます。メモなども取っていないと「やる気が無い」と思われてしまいます。

2.1.3 いつまで経っても仕事が出来ない、覚えられない

「いつまで経っても仕事が出来ない、覚えられない介護士」というのも同僚などから「仕事が出来ない」「やる気が無い」と思われ、白い目で見られるようになります。当然上司からの評価も低くなってしまいます。

2.1.4 言い訳が多い、素直でない

言い訳が多い・素直でない介護士というのは、「自分の誤りを認めることが出来ない」「責任逃れをしようとしている」という印象を周りの職員に与えてしまい、不信感を持たれる原因にもなります。また、同僚の指摘やアドバイスなども受け入れることができないため、いつまでたっても同じようなミスなどを犯してしまう可能性があります。

ミスをした時に、言い訳ばかりしていると同僚や上司から相手にされないようになる可能性もあります。

2.1.5 仕事を選んでいる、面倒なことをしない

面倒な仕事を避けたり、簡単な仕事ばかりしていると「楽をしようとしている」と思われてしまいます。また、他の職員に負担がのしかかってくるので、同僚からの印象は当然悪くなってしまいます。

2.2.6 仕事・介助が雑

スピードを重視しすぎて、仕事が雑になってしまうと他の職員にあまり良い印象を持たれない可能性があります。例えば、「前回おむつ交換をした介護士が雑に行っていたために、尿などが漏れてしまいズボンなどの衣服を着替えなければならなくなった、シーツも変えなければならなくなった」となり他の職員に余分な負担を掛けてしまうことがあります。

その他、掃除や他の業務なども雑にやっていると「あの人はいい加減な人だ」との印象を持たれてしまう可能性があります。

2.2 同僚から嫌われないためには

同僚や上司から嫌われないようにするためには、業務上で指摘されたことやアドバイスされたことはこま目にメモを取るようにし、分からないことがあればすぐに確認することが重要です。指導してもらったら、当然お礼の言葉を伝えることも大切です。

新しい職場で働き始めたら慣れないことが多いかもしれませんが、同じミスはしないようにして、できる限り早く業務をこなせるようになることが大切です。また、言い訳をする・素直でない人間は介護に限らずどこに行っても嫌われます。

ただ、介護士の中にも性格の悪い職員、意地悪な人はいます。どうしても、自分の力だけではどうにもならない時は転職するのも1つの方法です。

まとめ

今回は嫌われる介護士の特徴とその解決法について解説しました。人間関係に悩んで転職される方もおられると思いますが、自分にも問題が無いのかを考えてみる必要があります。

「どこに行っても自分は嫌われる」という方は自分自身でも改善できるところは改善していかなければ、何度転職しても人間関係に悩まされることになります。自分にも問題点があれば改善し、良好な人間関係を築いていけるように努力していく必要があります。

参考サイト