夜勤明けに疲れを溜めない!おすすめの過ごし方は?睡眠時間やリズム作りのコツ

介護士として仕事をする上で、辛さを感じやすいタイミングと言えば「夜勤明け」です。自分の時間を楽しむ方もいれば、「なかなかリズムがとれずしんどい…」と感じる方もいるのではないでしょうか?

少しでも疲れを和らげたい方、気持ちをリフレッシュさせたい方におすすめの過ごし方を紹介します。睡眠時間のポイントや、睡眠をとるためのコツについても、ぜひ参考にしてみてください。

1.疲れを溜めない夜勤明けの過ごし方

介護士さんの中で、夜勤明けの過ごし方は大きく2パターンに分けられます。

  • 体力回復重視パターン
  • 気力回復重視パターン

体力的なしんどさばかりが強調されがちな夜勤ですが、実際には、精神的な負担も決して少なくありません。夜勤を担当するスタッフは限られていますから、一人あたりで担当する業務量や責任の重さも、昼間の勤務とは比べ物にならないでしょう。だからこそ、「疲れを溜めない夜勤明けの過ごし方を知りたい」と思う場合には、「自分自身が感じている疲れは、体と心のどちらの方が大きいのか?」を判断する必要があるでしょう。

肉体的な疲労度が大きい場合、体力回復を重視した過ごし方を意識すると良いでしょう。

  • 帰宅してすぐに眠る
  • 自宅でのんびり過ごす
  • マッサージや温浴施設に行く

一方で、精神的なストレスから解放されたいと思う場合は、よりアクティブに過ごすのもおすすめです。

  • 外食に出かける
  • 運動する
  • 友達と遊びに出かける

体力的に問題がなければ、夜勤明け、そのまま出かければ時間の節約につながります。
より本格的に楽しみたい場合には、いったん帰宅して仮眠してから出かけるのも良いでしょう。

2.夜勤明けの日中は何時間寝るとよいのか

夜勤明けの生活リズムで悩みがちなのが、睡眠時間についてです。体力回復のためには、ぐっすり眠るのが有効。しかし昼間の睡眠時間が長くなり過ぎれば、夜に眠れなくなってしまう可能性も。そのまま生活リズムが乱れれば、次の日勤に支障をきたす恐れもあるでしょう。

夜勤明けの昼間の睡眠は、あくまでも「仮眠」に留めておくのがおすすめです。約3時間を目安にしてください。朝の8時半に夜勤を終え、9時に帰宅する場合、1時間程度をかけて体と心をリラックスさせましょう。10時頃から仮眠をスタートしたら、13時頃には目覚め、午後の活動をスタートするのがおすすめです。夜にはまた、自然と眠くなるでしょう。

3.夜勤明けの日中と夜間、睡眠をとるためのコツ

普段とは生活リズムが変わってしまう夜勤明け。「体力回復のためにしっかり眠りたい!」と思っていても、なかなかうまく眠りにつけないケースもあるでしょう。こんなときには、ぜひ以下のコツを意識してみてください。

3.1 【夜勤明けの日中】

  • 夜勤明けの食事は、消化に良いものを軽く食べる
  • 入浴はぬるめの温度で(もしくはシャワーのみ)
  • 遮光カーテンで室内を暗くする
  • 外部の音をシャットアウトする

3.2 【日中の活動を終えたあとの夜間】

  • 昼間の仮眠を早めに切り上げる(遅くても14時までに)
  • 入浴は早めの時間でしっかりと湯船につかる
  • 食事の時間は普段よりも早めに
  • スマートフォンやタブレット、テレビなどの使用は避ける
  • リラックスできる習慣を身につける

夜勤明けの朝の睡眠は、外部環境にも左右されがちです。世間一般的には、すでに朝の活動がスタートしている時間ですから、光や音で入眠を妨げられてしまうケースもあるでしょう。質の良い睡眠を確保するためにも、外部からの刺激をできる限りシャットアウトできる環境を用意してください。また夜勤から帰宅してすぐに熱い湯船につかってしまうと、交感神経が刺激されます。体が興奮して目が覚めてしまう可能性があるので、注意しましょう。

反対に、夜の睡眠については、交感神経から副交感神経への切り替わりをうまく活用するのがおすすめです。普段よりも早めの時間に湯船につかって体を温めれば、一時的に交感神経が活発になります。しかしその後、時間の経過とともに、自然に副交感神経優位な状態へと切り替わっていきます。胃腸の働きやスマホ・タブレットのブルーライトなど、余計な刺激を与えなければ、自然と眠気がやってくるでしょう。

4.2交代制と3交代制の夜勤明けの過ごし方

ひと言で「夜勤」と言っても、その勤務実態には、2交代制と3交代制といった種類があります。勤務実態によっては、仕事が終わる時間も異なるでしょう。それぞれの過ごし方のポイントを解説します。

4.1 2交代制の場合

2交代制は、24時間の勤務時間を2交代で回していく勤務スタイルです。日勤の勤務は、午前から夕方まで。休憩を除いて7~8時間勤務になるケースが多いでしょう。一方で夜勤は、夕方から翌日午前までと、長時間勤務になりやすいです。休憩を入れても15~16時間勤務になるケースも多く、夜勤明け当日にプラスして、翌日まで休みになることが多いでしょう。

夜勤明けの翌日まで休みになることから、自分のペースで生活リズムを戻しやすい一方で、夜勤明け当日の過ごし方によっては、昼夜逆転の生活が習慣化してしまう可能性も。夜勤明けの日の昼間に眠り過ぎないよう注意して、生活リズムを整えましょう。一方で、夜勤明けの日の夜から翌日朝にかけて、出かけたり遊んだりするなら、生活リズムをあえてずらしたままにしておくのもおすすめです。夜勤が明けたら自宅に戻り、昼間の時間を利用して、思う存分たっぷり眠り疲れをとってください。夕方以降に目覚めたら、支度をして出かけられます。

ただし夜勤明けは、長時間勤務による疲れが想像以上にたまっているもの。
決して無理はしないようにしましょう。また次の日勤に備えて、帰宅後の時間を使って生活リズムをもとに戻すのがおすすめです。

4.2 3交代制の場合

続いて、3交代制の場合の夜勤について解説します。3交代制の場合、24時間の勤務を3パターンのシフトで回していきます。日勤は通常通り午前から夕方まで、準夜勤が夕方から深夜まで、そして深夜勤が深夜から午前までというパターンで、それぞれ7~8時間勤務ずつです。

3交代制の場合、夜勤であっても勤務時間は7~8時間。このため、夜勤明け当日は休みでも、その翌日は仕事であるケースが多く見られます。次の勤務が日勤であれば、夜勤明け当日の過ごし方がより重要になるでしょう。

準夜勤明けの次の日に日勤がある場合は、何より優先すべきは「睡眠時間の確保」です。できるだけ用事はいれず、深夜に仕事を終えたあとは速やかに眠るようにしましょう。先ほどもお伝えしたとおり、交感神経を刺激しないため、入浴はぬるめの温度、もしくはシャワーのみで済ませるのがおすすめです。深夜勤の場合は、夜勤を終えたあとに眠り過ぎないよう注意してください。昼頃までには起きて午後はしっかりと活動し、また夜にぐっすり眠ると、質の良い睡眠時間を確保しやすくなります。

5.タイプ別夜勤明けの過ごし方

夜勤明けの過ごし方は、それぞれのタイプによっても異なるでしょう。のんびり過ごしたい人、アクティブに過ごしたい人、それぞれにおすすめの過ごし方の具体例を紹介します。

5.1 のんびり過ごしたい人

夜勤明けは、とにかく疲れを癒やし、のんびり過ごしたい!と思う方も多いでしょう。この場合、夜勤を終えて帰宅したら、消化に良いものをお腹に入れ、サッと入浴を済ませてください。

その後、2~3時間の仮眠をとります。とはいえ、「何か予定がないと、つい眠り過ぎてしまう」という方もいるのではないでしょうか。のんびり過ごすことを念頭に置きつつも、自分にとって「楽しい」と思える過ごし方を取り入れてみるのがおすすめです。

具体的には、以下のようなプランを検討してみてください。

  • 読書する
  • 家で映画やドラマを見る
  • 映画館に行く
  • のんびり家事を片付ける
  • ウォーキングをかねて近所に買い物に行く
  • 自宅でストレッチやヨガをする

読書や映画鑑賞は、一人でも楽しみやすく、また時間に関係なく没頭できます。自宅で気ままに鑑賞するのも良いですが、平日昼間は映画館も空いているでしょう。人混みで疲れることもなく、リラックスして楽しめるはずです。

また基本的には「のんびり過ごす」としても、夜勤明けに数時間の仮眠をすると、夜の寝付きが悪くなってしまう可能性も。仮眠から起きたあと、午後の時間もゴロゴロしていると、その確率は高くなってしまいます。だからこそ、「のんびり」の中にも適度な運動を取り入れるのもおすすめです。溜まってしまった家事を、自分のペースでこなすのも良いでしょう。家がきれいになったり、美味しい料理が出来上がったりすると、心の安定にもつながります。

ウォーキングやストレッチ、ヨガもおすすめのメニューです。決して無理をする必要はありませんから、自分自身が「心地よい」と思える範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。

夜になったら、自然と眠気がやってくるはずです。少し早めの時間でも、無理に起きていようとがんばる必要はありません。ゆったりリラックスして眠ってください。

5.2 アクティブに過ごしたい人

続いて、アクティブに過ごしたい人向けのおすすめプランを紹介します。

5.2.1昼に予定を入れている人

「夜勤明け」という言葉にネガティブなイメージを抱く方もいるかもしれませんが、平日の昼間に堂々と動ける貴重な機会でもあります。「せっかくだから昼間からアクティブに過ごしたい!」と思う場合は、仮眠の時間を調整しましょう。

たとえば、

  • 公共機関での手続きを済ませたい
  • 友人とモーニングやランチに行きたい
  • 午前中にショッピングをしたい

このような場合には、夜勤明けからそのまま動き出すのがおすすめです。昼くらいまでを目安に、自分のやりたいことを済ませましょう。その後帰宅したら入浴し、短めの仮眠をとります。その後の流れは、ゆったり過ごしたい方と同じです。仮眠の時間が午後になるため、特に眠り過ぎには注意してください。

体力に自信がある場合は、そのまま夕方まで活動する方法もあります。ただしこの場合、夜に予定は入れないようにしましょう。早めに食事と入浴を済ませて、ぐっすりと眠り、体力回復に努めてください。

5.2.2夜に予定を入れている人

夜勤明けの日の夜に予定を入れている場合、少し仮眠を長くして調整するのがおすすめです。これにより、夜間の活動時間を長くとれます。

  • 友人と飲み会に行く
  • スポーツクラブに通う
  • スポーツ系の習い事をする

これらの予定も入れやすくなるでしょう。ただし、昼間の仮眠はあくまでも仮眠で、完全に疲れがとれているわけではありません。帰宅時間が遅くなり過ぎないよう注意してください。

6.夜勤明けの食事はどんなものが良いのか

夜勤明けの生活リズムは、食事によっても左右されます。消化に時間がかかると、その後の仮眠で睡眠の質が落ちてしまう可能性も。ぜひ消化に良いものを意識して摂取してみてください。

また夜勤明けの眠りにつく直前にとる食事は、体重にも影響を与えやすいでしょう。疲れとストレスから、甘いものやがっつり系メニューを食べたくなるかもしれませんが、控えてください。野菜をたっぷり入れたスープや味噌汁、鶏肉やゆで卵、ヨーグルト、バナナやリンゴなどがおすすめです。

7.夜勤明け避けた方が良い食事とは

反対に、夜勤明けに避けた方が良い食事の具体例は以下のとおりです。

  • 菓子パン
  • ケーキやクッキーなどの洋菓子
  • ラーメン
  • どんぶりもの

疲れているからこそ、つい手が伸びてしまいがちなメニューですが、どれも高カロリーで注意が必要です。健康に影響を与える可能性もありますから、できるだけ避けた方が良いでしょう。

8.夜勤明けのNGな過ごし方

最後に紹介するのは、夜勤明けにやってはいけない過ごし方です。3つの例を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

8.1 夕方まで眠る

夜勤明けには、「疲れているからたっぷり眠りたい…」と思う方も多いかもしれません。しかし体が求めるまま夕方まで眠ってしまうと、仮眠の取りすぎです。夜間の睡眠の質が低下し、生活リズムが崩れてしまう恐れがあります。

仮眠で眠り過ぎることがないよう、目覚まし時計や各種予定を上手にコントロールしましょう。できるだけストレスなく目覚めることが、コントロールのコツと言えます。

8.2 帰宅時に朝日をたっぷり浴びる

人間の生活リズムは、光によってコントロールされています。夜勤明けの疲れた状態であっても、朝日をたっぷり浴びてしまうと、交感神経は活発になります。つまり体が、「これから日中で、活動するべき時間帯」と誤解してしまうのです。

帰宅時に交感神経が活発になってしまうと、その後、仮眠をとろうとしてもうまく寝付けなくなってしまいます。体はできるだけ光を浴びないように、またサングラスで目に入る光量を調整するのもおすすめです。

8.3 眠れないときのスマホ習慣

仮眠をするときや、夜眠るとき、なかなか眠れないためについスマホを触ってしまう…という方も多いのではないでしょうか?しかしスマホから発せられるブルーライトは、人間の脳を活性化させると言われています。余計に眠れなくなってしまいますから、こうした習慣は改めてください。

まとめ

介護士として働く上で、「夜勤後の生活リズムが不安」「実際にやってみてしんどいと感じている…」という方もいるのではないでしょうか。ちょっとしたコツを意識すると、生活リズムを整えやすくなります。ぜひ今回紹介した、夜勤後の過ごし方のポイントも意識してみてください。

参考サイト